大学生活でどのような学修や課外活動に
取り組みましたか?
学内だけでなく学外にも出て学んでみたいと考え、シルバー人材センターの普及活動を行っているフィールドワークゼミナールに入りました。実際に大阪府の東大阪市、八尾市、門真市、京都府の久御山町のシルバー人材センターに出向いて高齢者の方と野菜づくりや染め物などの活動を一緒に行いました。みなさんが生き生きと働いている姿が印象的で、高齢者の方にとっても社会にとっても大切な場所なのだと、シルバー人材センターの重要性を実感しました。
他に、幼い頃から通っていたスイミングスクールでのアルバイトを1年次の6月から続けました。その中で、長い間クロールのテストに合格できなかった子が泳げるようになったことが印象に残っています。保護者の方と家庭や練習での様子を話し合った結果、水が怖いのではなくテストの際に足が届かないプールで泳ぐことに恐怖心があるのではないかと気づきました。そこでプールの底に台を設置してみたところ、いつでも足が届く安心感からかクロールで25mを泳ぎきって合格できたのです。子どもも保護者の方も喜んでくれて、私も自分のことのように嬉しかったですし、相手のことを考えて行動できた自分の成長も感じました。
就職活動では、どのような就職支援を
活用しましたか?
私が警察官を目指したのは、2年次の時に子供が巻き込まれる痛ましい事件や事故のニュースを多く目にしたことがきっかけです。アルバイトで子どもたちと接していたことから他人事とは思えず、子どもたちを守るために自分にできることはないかと考えたのです。
就職活動では、3年次の4月から公務員受験対策講座の「警察官・消防官コース」を受講したほか、小論文の添削と面接練習のためにキャリアサポート室に何度も通いました。小論文は過去問を参考に練習しましたが、最初の添削は赤ペンだらけ。まず結論から書くという基本を教わり、細かな添削の内容も丁寧に説明していただきながら練習を繰り返したことで、最終的には「1時間で1000字以内」という試験の条件でスムーズに書けるようになりました。また、面接練習も約半年の間に週1回は必ず通い、合計で20回ほど行いました。その中で特に役立ったのは「面接は会話だよ」というアドバイス。最初は1つの質問に対して用意してきた答えを全部話そうとしていましたが、アドバイスをいただいた後は面接官が興味を持って質問をしたくなるように話すことを意識し、簡潔に話せるようになりました。
就職活動で印象に残っている
エピソードを教えてください。
面接試験の際に聞かれた「あなたを警察官にしないと後悔するという点は?」という質問が印象に残っています。スイミングスクールのアルバイトでクロールができるよう子どもをサポートしたエピソードを話したのですが、相手を客観的に見て、その人に合った対応ができること、人の立場になって物事を考えられることを説得力を持ってアピールできたのではないかと思います。それに加え、府民のみなさんに安心していただけるような警察官になるという思いもしっかり伝えることができました。
就職活動を通じて学んだことや成長した点を
教えてください。
継続力と忍耐力が高まったと思います。3年次の4月から多い日で1日5〜6時間勉強する生活を続けていたのですが、30分から1時間集中して勉強したら休憩し、次は違う科目に取り組むなど切り替えを心がけました。また、体力試験対策とリフレッシュを兼ねて勉強の合間に筋力トレーニングをしたり、スイミングスクールでのアルバイトの合間に泳いだりもしていました。それまで私は自分の意思で長く続けてきたことがあまりなかったのですが、試験対策を日常に組み込むことができたため、苦に感じることはありませんでした。また、進路として志望していたのは警察官だけで、絶対に合格したいという思いが強かったからこそ、周りの友人が遊んでいても流されることなく頑張れたのだと思います。
将来の目標は何ですか?
警察官の仕事は大きく分けて「犯罪者を捕まえること」と「被害者を減らすこと」の2つがあると思います。私はどちらかというと後者の「被害者を減らすこと」に力を注ぎたいと考えていて、具体的には児童虐待や特殊詐欺、性被害などをなくしたいです。特に、社会的弱者といわれる立場の人を守れる警察官として成長したいですね。被害者を減らすということは、犯罪が減るということ。そういった取り組みを通して、府民のみなさんが安心して暮らせる社会づくりに貢献したいと思います。また、大学のフィールドワークゼミナールでの経験を活かし、いつかシルバー人材センターで特殊詐欺防止の啓発イベントができたら嬉しいですね。