大学生活でどのような学修や課外活動に
取り組みましたか?
地域文化を研究課題としているゼミナールで「歴史的な文化価値の創造」をテーマに学び、出身地の兵庫県姫路市の魅力や文化についてまとめました。世界文化遺産の姫路城が有名であり、特にその外観の美しさが注目されますが、近くで見て味わえる良さを見出したいと考え、実際に姫路城に行って職員の方にお話を伺いました。その中で印象に残ったのは、城の瓦はその時代の城主の家紋が使われているのですが、あえて家紋を逆さにしている箇所があるということ。というのも、古くから「城は完成すると崩壊が始まる」という言い伝えがあるため、あえて未完成の部分を残しているそうです。この発表の際にはゼミナールの先生にも「初めて聞く話だ」と評価していただきました。他に、JR姫路駅前の再開発に伴い、古くからあるお店を活性化するための地域クーポンなども提案。ゼミナール活動を通して、自分の目で実際に見て課題を見つけ、それを解決していく能力を養うことができました。
就職活動では、どのような就職支援を
活用しましたか?
私は入学時から消防士を目指しており、2年次の夏頃から公務員試験に向けた対策を始めました。まず、大学で開講している公務員講座の「基礎・教養コース」を受講し、3年次で「警察官・消防士コース」にステップアップして学びを深めていきました。この講座の魅力は、わからない点を先生に直接質問できること。先生の丁寧な説明によって理解を深め、自宅でも繰り返し勉強しました。それに加え、論文試験に向けては試験の2ヶ月前くらいから過去のテーマを調べ、独自に短期集中で取り組みました。論文は単に自分の思いを綴るものではなく、文章の裏付けとなるデータなどの根拠が必要です。それらを調べて書く内容を考え、2日に1本のペースで練習。本番の「1時間で1000字程度」という条件でしっかり書き上げられるよう、40分で1200字程度書けるまでに練習しました。こうした対策の結果、筆記試験も論文試験も余裕を持って臨むことができました。
就職活動で印象に残っている
エピソードを教えてください。
公務員試験に向けた対策は長期にわたるため、モチベーションを保つことが大切です。少し勉強に疲れた時には、高校を卒業してすぐに消防士になった後輩や、他の消防士の方など実際に働いている人たちの話を聞くことで「こういう人たちと一緒に働きたい」と、消防士への想いを高めていきました。そして、第一志望だった大阪市消防局の面接では、消防士になりたいという強い気持ちはもちろん、これまでの経験から消防士として活躍できる資質があることを最大限アピールしました。高校から親元を離れ、ソフトテニス部で活動しながら寮生活を送ったこと、そして所属高校と広島県の国体チームの主将を務めたことから、人をまとめるリーダーシップや何事も最後までやり遂げる責任感の強さ、集団生活への適応力、体力面など、厳しい局面でも折れない心を持っているということを力強く話し、面接官の方にも納得していただけたことで手応えを感じることができました。
就職活動を通じて学んだことや成長した点を
教えてください。
コツコツと継続することの大切さを改めて学びました。2年次の夏という比較的早い時期から試験対策をスタートしましたが、始めてみると基礎的な学力をじっくり積み上げていく必要性を感じ、時間をかけて準備することができて本当によかったと思いました。勉強する際に特に心がけていたのは、試験時間の2時間きっちり集中力を維持すること。スマートフォンのゲームアプリを消したりSNSをやめたりと、誘惑のない環境をつくって勉強に励みました。決してぶっつけ本番で突破できる試験ではないので、計画を立てて十分に準備し、そして成功を収める経験ができたことは自信になりました。
将来の目標は何ですか?
私が消防士を志したのは、高校時代に西日本豪雨災害で被災し、消防職の重要性を身をもって感じたからです。さらに、大学生になってから多くの方が犠牲になった火災のニュースを見て、迅速な消火や救急はもちろん大切ですが、火災が起きる前の対策も大切なのではないかと考えました。消防士といえば消火と救急のイメージが強いですが、私はそういった経験から、将来は火災予防運動や自主的な防火防災力の向上に向けた業務に携わることで市民の命を守ることに貢献したいと考えています。また、市民から信頼されるのはもちろん、職場の仲間から信頼されることも大切です。消防の仕事は一人でできるものではないので、何事も率先してやる姿勢を大切にして、仲間の信頼を得ていきたいと思います。