大学生活でどのような学修や課外活動に
取り組みましたか?
所属するゼミナールでは中小企業について広く学んだほか、商学にも興味があり、自由選択科目でマーケティング戦略論や消費者行動論といった講義を受けました。1つの商品の動きや消費者の心理を考えることが楽しく、ビジネスアイデアコンテストにも挑戦。友人がコンビニエンスストアで買い物をした際にお箸がついていなかったという話をきっかけに、消費者自身がお箸やおしぼりを取れる自動販売機型のシステムを考案しました。レシートに購入品とお箸など付随するものを印字することで、消費者は必要なものだけを得て、店員さんは業務量を軽減でき、社会全体にとっては未使用品の廃棄をなくせるという、誰にとってもメリットのあるものにしたことがポイントです。その結果、1000案以上の中から3位となり、東大阪商工会議所会頭賞をいただくことができました。この取り組みの中で、実際にコンビニエンスストアで働く方にインタビューして考えを聞いたり、実際に機械を試作して売り込めないか考えたりと、机の上だけでない学問の広がりを実感することができました。
就職活動では、どのような就職支援を
活用しましたか?
入学当初から就職活動を意識していたため、2年次の2月という早い段階からスタートしました。キャリアサポート室の職員の方にお願いして、3年次の先輩方が参加している学内セミナーに参加させていただき、さまざまな企業の社員の方からお話を聞くなど長い時間をかけて幅広く業界・企業研究を進めました。
キャリア支援では、特にエントリーシートの添削が印象に残っています。最初のうちは、自分では思いの丈を存分に書けたと思う文章でも、職員さんに見ていただくと思いがあまり伝わらなかったり、違った意味で伝わっていることがありました。そこで自分が本当に伝えたいことを職員さんと話し合ったところ、「じゃあこの言葉は必ず入れないと伝わらないよね」と、言葉一つひとつから丁寧に見直すアドバイスをいただけたのです。このやりとりを何度も繰り返してエントリーシートをブラッシュアップしたおかげで、どの企業にも自信を持って提出することができました。
就職活動で印象に残っている
エピソードを教えてください。
非常に手応えのあった企業の面接に落ちた際、アドバイザリースタッフの先輩が「ここで落ちたということは、“会社に合っていない”と言ってもらえたということ。入社する前で良かったと考えよう!」と励ましてくださったことです。そんな考え方があるんだと心が軽くなり、それ以降の企業の選考に前向きに臨むことができました。
内定先の株式会社ローソンは、1年次の授業で見たドキュメンタリー映像が印象に残っていた会社です。おにぎりの商品開発で、1年以上試行錯誤してできあがった商品が店頭に並び、お客様が手に取るところを見て担当者が涙を流す…というものでした。仕事とはお金を得ること以上のものがあると気づかされたのと同時に、私もこんなに熱くなれる仕事がしたいと考え、就職活動が始まったらまず株式会社ローソンにエントリーしようと決めたことを覚えています。面接の際もこの話をして、非常に盛り上がりました。一方で、面接は自分が話す場と思いがちですが、面接官の方が話し始めた際には相づちを打ったり返答したりと、しっかりコミュニケーションすることを心がけていました。こうした相手の話を丁寧に聞く姿勢も評価につながったのではないかと思います。
就職活動を通じて学んだことや成長した点を
教えてください。
以前は、仕事は生活のためのものだと思っていましたが、自分自身を客観的に見つめ直すうちに考え方が変わりました。私は収入の多さよりも、アイデアや企画を考えること、それで人に喜んでもらうことに価値を感じていると気づくことができ、「企画に携われること」を軸にした就職活動を進めることができました。自分自身を知らないとアピールはできないので、深く自己分析をしてよかったと思います。
そして、内定後は私も後輩の役に立ちたいと考えたこと、周りより長く就職活動をして多くの企業を見てきたという自負があることから、キャリアサポート室のアドバイザリースタッフとして活動しています。活動の中で心がけているのは、後輩の不安を取り除きながら今やるべきことを洗い出し、より良い提案をすること。相手の話を聞く力をより高められましたし、自分の経験だけが正しいと思うのではなく、一人ひとりに最適な方法があると考えられるようになりました。後輩が「うまくいきました!」と報告をくれることがとても嬉しく、逆に自分が成長させてもらっていると感じますね。
将来の目標は何ですか?
株式会社ローソンの商品開発部で、会社の歴史に残るような商品に携わることです。老若男女に愛され、安心していただける“定番”といわれるものを世に送り出し、たくさんのお客様に笑顔になっていただきたいと考えています。また、どんな時も楽しんで仕事に取り組み、どこまでも良いものを追求する人材になることも目標の一つ。番組映像で見た「“こんなもんでいい”と妥協した仕事は必ずお客様に伝わる」という商品開発者の方の言葉がとても印象に残っており、私も仕事に妥協せず、常に自分に厳しい人でありたいと考えています。