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次代の社会を担うリーダーを目指して
卒業生インタビュー

あらゆる経験で得た知識が、会社経営の糧になっています。
男性 卒業生

株式会社日と々と

山本 拓三さん

代表取締役

商経学部 経済学科

2000年卒業

初芝立命館高等学校 出身

大学生活で印象に残っていることは何ですか?

卒業して20年以上経ちましたが、大学生活はとてもいい思い出として残っています。大学内ではいつも決まった場所で友達とずっと話しているような、そういう自由な日々が楽しかったですね。ゼミナールではインターネットについて学び、ホームページを作ったりしていました。まだ家庭にインターネットがあまり普及していなかった時代だったので、新しい分野の学びを経験できたことがよかったです。この学びは卒業後、仕事においても役立ちました。また、4年間、ホテルの披露宴会場でアルバイトを続けました。ホテルはさまざまな職種の人が利用している、いわば社会の縮図のような場所。そこでお金を稼ぐことについて学べたこともためになりました。
就職活動を始めたのは4年次になってからでした。いつかは自分で店をしてみたいという気持ちがあったことや、商業施設が好きだったことから、不動産や建築に興味を持っていました。そんな中、当時の就職課に貼られていた求人ポスターを見たことがきっかけで、先物取引やゴルフ場・リゾート開発、リフォーム、インターネット事業などを幅広く手がけている会社に応募し、入社が決まりました。

起業するまでのキャリアストーリーと
現在のお仕事内容について教えてください。

新卒で入社した会社では経理部署に配属されましたが、私はその時点で簿記検定も持っておらず、パソコンも十分に使えなかったため、どちらも入社後に猛勉強しました。グループ会社が多かったので毎月のように決算業務に携わり、自分で考えたり調べたり、税理士の先生に質問に行ったりしながら、実務に必死に取り組んで知識をつけていきました。
その会社を3年目で退職し、不動産などを扱う上場準備中のベンチャー企業に転職。経理責任者として入社し、1年後に上場しました。その後、飲食事業を始めた子会社の取締役になり、そのまま代表となって、その飲食事業を買い取って独立した…という流れになります。実は赤字の事業を買い取ったため、1億円ほどの借金を背負っての独立でした。学生時代から起業してみたい気持ちはあったものの、急に決まったことだったので準備も何もありませんでしたね。現在まで社名はいろいろと変わっていますが、今も表参道にある「パンとエスプレッソと」の1店舗から当社はスタートしました。
現在は「パンとエスプレッソと」など直営17店舗を運営しており、のれんわけの店舗も全国に10店舗あります。こだわりはやはりパンとコーヒーで、味はもちろん、見た目も大切です。各店舗にパン職人とバリスタがおり、職人の手仕事にこだわってその店舗ならではの特色あるメニューを提供しています。「パンとエスプレッソと」という名前は、1号店オープンの際にプロデュースしてくれた方がつけてくれた名前。非常に斬新で、当社といえばこの名前のイメージが固まったので、異なる業態の店舗を出す際にも雰囲気の統一感を心がけています。また、最近はこの名前のインパクトを活かし、「パンとエスプレッソと」の展開に力を入れています。

会社を経営するにあたって
大切にしていることや強みは何ですか?

心がけているのは、今やっていることに固執しないことです。もちろんパンとコーヒーにはこだわっていますが、「これしかない」と思うのではなく臨機応変な考えを持つこと。常に新しいことをしたいという気持ちがありますね。独立したいというスタッフも無理に引き留めず、挑戦してほしいと考えています。
そして、カフェという競合が多い業態における当社の強みはデザインや空間です。私は長く不動産に携わってきたので、物件や空間ありきで「ここに合う業態は?」と考えます。一般的な飲食店はコンセプトに合わせて物件を探すので、全く逆の考え方ですね。不動産業界に知り合いが多く、物件を紹介していただくことや、有効活用についての相談を受けたりすることもよくあり、多様な物件に出会える点も強みといえるでしょう。例えば大阪にある堺筋倶楽部という店舗は、元々銀行として使用されていた建物をリノベーションしました。優雅な雰囲気が魅力なので、時間を忘れてゆっくり寛ぐことをコンセプトにした「パンとエスプレッソと」を運営し、お客様にモーニングやお買い物を楽しんでいただいています。
また、私にとっては前職のベンチャー企業の創業者である社長のそばで働けたことが大きな財産です。「知識は自分で身につけろ、経験はさせてやる」とよく言われていました。実際に、経理責任者として会社の合併や分割、子会社の設立、さらに会計基準の導入に携わったことも。願ってもなかなかできない経験を積み、そこで身につけた数々の知識が、現在の会社経営において自分を支えてくれていると思います。

今後の目標を教えてください。

外国人観光客を主なターゲットとした、日本の地方と海外への進出が大きなテーマです。その実現に向け、大手旅行会社と国内外の発展に向けたパートナー契約を結びました。海外では世界中にあるその会社の現地支店や現地パートナー企業との協業によってライセンス展開を始め、2024年春にはアメリカのロサンゼルスで1号店をオープンすることが決まっています。また、日本国内では食と地域とツーリズムの魅力を掛け合わせ、地域活性化につなげるご当地オーナー制度“47都道府県「ご当地パンエス」プロジェクト”を始めており、地域ごとの特色ある食材を使った店舗を広げていきたいと考えています。さらに、この堺筋倶楽部のように価値のある建物への出店も進めていく方針です。料理の味はもちろん、洗練された空間で優雅な時間を過ごせることは、お客様を惹きつけるためにとても大切ですからね。
(2024年取材)

受験生のみなさんへ

大学生活では勉強はもちろん大切ですが、さまざまな経験をするという意味で大いに遊んでほしいと思います。国内外のいろいろな場所に行って、そこでしかできない経験をしてください。将来起業してみたいという目標のある方なら、アルバイトをして「お金を稼ぐ」ということを学んでほしいですね。例えば時給が高いところは高いなりの理由があるので、それを考えること自体が学びになりますし、どうすれば自分の価値を高められるかを考えることにもつながるでしょう。また、アルバイトは社会の縮図であり、社会の仕組みについて学ぶ機会にもなります。そういった机上の勉強では身につかないことを学べたり、さまざまな職種を経験できたりするのが学生時代のアルバイトのメリットです。就職してキャリアを重ねていくと大きな仕事を任されるようになり、遊ぶ時間は少なくなってしまいます。学ぶことは歳を重ねてからでもできるので、大学生活の自由な時間を大切にしてください。

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