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次代の社会を担うリーダーを目指して
卒業生インタビュー

空間デザインにこだわり、唯一無二の体験をつくります。
男性 卒業生

株式会社
中澤ホールディングス

中澤 勇さん

代表取締役社長

経済学部 経済学科

1966年卒業

学校法人花園学園
花園高等学校 出身

大学生活で取り組んだ学修や、
印象に残っているできごとを教えてください。

もともと私の父が京都で小売業の商売をしており、その事業を継ぐものと思って、商業を学べる大阪商業大学に進学しました。学部で学んだ商業に関する知識はもちろん、所属していた日本拳法部での経験は、今にもつながっていると感じます。日本拳法部は70人以上が所属する大きな部活で、4年間でさまざまな人と関わることができました。学生時代に人間関係の難しさに触れられたことは、貴重な経験だったと思います。また、2年次からレギュラーとして試合に出場する中で、目標に向かって突き進む姿勢や、逆境に立たされても諦めない不屈の精神が養われました。

現在のお仕事内容や、
やりがいなどを教えてください。

京都BALや神戸BALという商業施設の運営や自社ブランドの展開を手掛けています。事業の中心である京都BALは、海外のアパレルブランドを中心に約30店舗が入るファッションビルです。1970年の創業以来、京都の河原町で営業してきた京都BALですが、2015年に転機を迎えました。敷地面積を増やすとともに、アメリカ西海岸沿いのホテルをモチーフにリニューアル。通常であれば100店舗近くが入る敷地面積ですが、京都BALでは約30店舗に厳選しました。1店舗の面積を広く取り、各ブランドの世界観を自由に表現してほしいという意図でした。創業当時よりBALの競合は、同じように海外ブランドなどを展開する百貨店でしたが、今回のリニューアルで大きく差別化を図りました。これまでは、新しいブランドを誘致しても、しばらくすると百貨店に店舗を移してしまうケースも多々ありました。その流れを断つために、店舗数を絞るという大きな決断を下したのです。

会社を経営されるうえで
意識していることを教えてください。

一つは、世の中の流れを読み、時流に乗り遅れないことを大切にしています。例えば、自動車業界では、電気自動車が技術の最先端として話題になっていましたが、全ての大企業がその流れに乗ることができているわけではありません。時代の変化に上手く対応できるかどうかは、企業の大小にかかわらず、経営者の手腕一つで変わるのです。私は、世の流れはだいたい10年程度で変わっていくと考えているので、10年単位でビジョンを立て、店舗の入れ替えなどを検討します。もう一つは、ブランドの世界観をつくること。2015年のリニューアルで1店舗あたりの面積を増やし、各ブランドらしい空間をデザインするようにしました。例えば、京都BAL6階に入っているRon Hermanは店舗に入るまでに中庭を配置しています。これは、フランスのニースにある、とある店舗の中庭を活用した空間デザインに惹かれて導入を決めたものです。質の良いものや魅力的なものは妥協せず取り入れることが、ブランドの価値を高め、BALの価値を高めると考えています。

仕事が世の中の役に立っていると
感じる瞬間について教えてください。

あるブランドや商品について「BALで見たことある!」と言ってもらえることが仕事のやりがいであり、世の中の役に立っていると感じる瞬間です。BALはファッションビルですが、決して商品を買ってもらうことだけが目的ではありません。各ブランドの世界観を楽しみながら散歩するようにビルの中を回遊して、休憩がてらカフェでお茶をする。そんな形でも、世界中の質の良いものに触れる機会を提供したいと思います。そのために、通路を広く取り開放感のある空間にするとともに、通路と店舗の境界を作らないようにしました。私たちの事業は「夢」を売るものだと思っています。他の商業施設とは違う空気、BALでしか感じられない空気を、デザインしたいのです。

今後の目標を教えてください。

BALの経営に加えて、新しい市場の開拓に取り組んでいます。これまでは、既にある市場の中で、百貨店といかに差別化するかということを考えてきましたが、今度はゼロからイチを作り出したいです。大学で言えば、既にある学問分野の学部ではなく、全く新しい学部を立ち上げるようなもの。決して容易いことではありませんが、試行錯誤しながら挑戦しています。新しいことを考えるときは、ジムで運動したり、散歩をしたりする中で考えを深めていくのが私のルーティン。そして思い立ったらすぐに行動することが肝要です。
(2023年取材)

受験生のみなさんへ

質の良いものを見たり経験したりすることで、感度が上がり、大事な選択をするときの判断力が高くなります。皆さんもこれから進路を考えるとき、より質の高い経験ができる選択をしてほしいと思います。また、一度始めたことは続けてみることも大切です。最初はしんどいことや大変なこともあると思いますが、続けることで初めて見える景色もたくさんあります。質の高い経験を積み、そして継続してみる。これが、私が皆さんにお伝えしたいことです。

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